
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
・管理栄養士として、患者さんに出来ることをもっと知りたい!
・どんな風に病院食が注文・納品されているか知りたい!
↓夏には冷やし中華もあります♪
精神科病院のおせち料理を紹介
入院中の方は新年を病院で迎えるという方もたくさんいらっしゃると思います。
本当ならば自宅で家族と過ごしたい…と悲しい気分になってしまいがちですが、そのような方々に少しでもお正月気分を味わてもらいたい!という気持ちで、当院では毎年元旦は【おせち】を提供しています。
赤飯・牛乳・みかん・茶碗蒸しは毎年変わりませんが、おせちの箱や中身を少しずつ変化させています。
では、さっそく2022年版病院食おせちを紹介いたします。
常食
まずは常食の方からご紹介します。健常者と同じ食事が摂れる方々です。
軟菜食・一口大の方も全員同じ、このおせちを提供します。
粗刻み食の方は、なます・数の子・伊達巻だけは包丁で粗刻んで提供しました。
きざみ食
次にきざみ食の方のおせちです。嚥下機能の低下により、硬いおかずや大きなおかずが食べずらい方に提供します。
きざみ食の方はなます・数の子・をフードプロセッサーで刻んで提供。
黒豆は黒豆ムース、伊達巻はふわふわ卵巻きに変更しました。
(※左下のやわらかレンコンと鶏肉の煮物は刻まなくていいのですが、今年は間違えて刻んでしまっています。)
各グラム数
通常の商品であれば納品業者さんからサンプルを頂いて商品の検討をすることができますが、お正月用商品となると単価も上がり、サンプルも頂けないことが多いです。
そのため、グラム数や個数は毎年必ず記録を残しておくことをお勧めします。
そうするともし商品が変わったとしても似ているはずなので、想像もしやすくなります。

写真の左上から順にグラム数の紹介をします♪
- いもあん30g
- 黒豆40g
- えびの艶煮ちゃん1切れ
- やわらかまぼこ(寿・梅)各1/15枚
- 伊達巻3/15枚
- 大葉1枚
- ソフトな嚙みごこち鶏肉とれんこんの煮物50g
- 紅白なます30g
- かずのこ50g
- 黒豆ムース40g
- ふわふわたまご巻3/15枚
- みかん・だいだいのムース1個
- マツタケ茶碗蒸し1個
注文業者と商品名の紹介
年末(11月頃~)になると、各業者さんが次々とお正月商品のパンフレットを持って営業に来られます。その中から、自分の病院に合った商品を選んで注文するのですが、年末年始の発注納品時期はかなり早まるので焦りが出ます!(私も何年しても不安に駆られます…)
また、年末年始は患者さんが外泊や退院をして食数もぐっと減ることも考えられますので前年の入院患者数などを確認しておきましょう。

とはいえ、お正月の食材は代用が効かないので足りないよりは余る方がマシ!多めに注文しておくことが大切です。
商品名 | 規格 | 注文業者 |
1.丹波黒豆 | 250g/P | 日清 |
2.いもあんCN | 500g/P | ハウディ |
3.えびの艶煮ちゃん | 20g×15個/P | ハウディ |
4.やわらかまぼこ【寿】【梅】 | 160g/本 | ハウディ |
5.伊達巻ノーカット | 350g/P | 日清 |
6.大葉 | 1枚 | キタニ |
7.鶏肉とれんこんの煮物 | 1kg/P | ハウディ |
8.大根なます | 600g/P | 日清 |
9.味付き数の子 | 500g/P | 日清 |
10.黒豆の甘煮ムース | 250g×2個/P | ハウディ |
11.ふわふわたまご巻 | 140g/P | ハウディ |
12.国産だいだいのムース | 30g×20個/P | 日清 |
13.マツタケ茶碗蒸し | ? | ヤヒロ |
注意点
今回は3つの食品業者に分けています。(ヤヒロ・日清・ハウディ)
注文業者をひとつに絞ると、発注も納品も簡単で楽になりますがもし何か問題が起きた時に困りますよね?
↓例えば・・・
出来るだけ質の良い食品を低価格で提供してくれる業者を選べるようにしておきましょう。
良かった点と反省点
- 大葉はえびの下に敷いた方がえびが見やすくて良かったかもしれない。
- 煮物は50gだと少なかったので60gで注文した方が良い。
- 切る必要があるもの(やわらかまぼこ・伊達巻・ふわふわたまご巻)は15等分で丁度良い厚さだったが、余りすぎたので注文数を減らす。
- 茶碗蒸しは水分が溢れて出てくるので受け皿を急遽使用した。
- おせちの配置だけでなく、おぼん全体の配置も周知しておいた方が良い。
- 赤飯は粥もそのままのあずきでいくことを周知しておく。
- 1/2量の方もおせちは全量でいくことで混乱が減った。
- 箸ケースを手作りしたが、患者さんに好評だった。
「寿」箸袋の作り方(テンプレートあり)
今年は初めて、寿箸袋を調理師さんと手作りしました。
調理師さんと共同して箸袋を作る時間も大切な時間ですし、なによりこれがあるだけで食事全体の彩りも綺麗になり、見栄えがとっても良くなるのでおすすめです。
こちらで印刷して使用させていただきました。
カラーコピーをしてから余白をカットし、線に沿って山折りするだけです。

いつもと違う雰囲気が演出できるので、患者さんにも好評でした!
患者さんからの声
- おせちの入れ物がいつもと違って良かった
- 色んな種類のおかずがあって正月気分を楽しめた
- 赤飯が美味しかった
- 箸入れがとっても可愛かった
などなど!本当に喜んで食べて下さいました。
年に一度のおせちは大変ですが…今年もやって良かったです。